弟に親身に寄り添う理学療法士の姿に憧れ選んだこの道
中村 泰規(ナカムラ ヤスノリ) 資格:理学療法士
- 家族に寄り添ってくれた理学療法士をみて、選んだこの道
- 医療だけでなくスポーツの現場でも活動
- 休みなく仕事に没頭した日々
- 中村さんの現在の仕事は?
- オフの日の過ごし方
- 「ZZOOLAB」とは?
- 中村さんの今後の取り組み
家族に寄り添ってくれた理学療法士をみて、選んだこの道
まず、中村さんが理学療法士を志した理由を教えていただけますか?
私が高校生のとき、弟がギランバレー症候群を患い、四肢麻痺になってしまったんです。発症前に風邪をひいていたんですけど、それが原因だったようです。
その際に、弟のリハビリを担当した理学療法士が、優しく親身に接してくれたんです。 身体の自由が利きづらくなっている弟に寄り添う姿を見て、心配でたまらなかった私たち家族も勇気づけられました。 それまで私は、建築関係の仕事に就きたい夢をもっていましたが、人に寄り添う姿に憧憬の念を抱き、「私も理学療法士になりたい」と思うようになりました。
素晴らしい理学療法士の先生との出会いが、きっかけだったのですね。その当時は、リハビリの中でもどういった分野に関わりたいとお考えでしたか?
当初は弟のこともあり、小児分野で働きたい思いがありました。
しかし、学校を卒業してからは、さまざまな医療機関にて働きましたが、その間に知人から声をかけていただき、いろいろな経験できました。 それが今に至っており、私は人を大事にすることにより、助け、支え合い、結果、事業へ繋がることの大切さを知ります。 養成校卒業後は、しばらく療養型病院で働き、その後は、リハビリテーション病院の主任として立ち上げに携わり、整形外科クリニックで主任業務をしていました。 それから、働きながらある分野の治療テクニックを中心に勉学にも励み、手技の研鑽も積んだ時期もありました。
医療だけでなくスポーツの現場でも活動
さまざまな職場でご活躍されてきたのですね。それ以降も、人とのご縁を繋げながら幅広くご活動されていくのですか?
そうですね。その後は、大学や専門学校の教員としても働きました。
それから、Jリーグのチームの非常勤にてトレーナーとしても活動しました。
Jリーガーのトレーナーとは、どのような仕事内容だったのですか?
主に、コンディショニングですね。それと、生活全般のマネージメントです。
選手たちが、試合で100パーセントの力を発揮するために必要なマネージメントをしていました。 運動だけでなく食事や睡眠などの体調管理、日常生活における姿勢や動作など・・・さまざまな面を指導し、不調や怪我に対するケアも行いました。
練習や試合のときだけでなく、生活全般までみるのですね?
はい。各選手の身体状態や受傷歴から、その選手にとって必要なプログラムを練っていました。
選手たちは、プロの第一線でしのぎを削っている超一流の選手たちばかりです。 パフォーマンスが悪いと、すぐに他の選手に代えられてしまうという過酷な状況下で戦っています。 彼らの体調維持・試合にて100%のパフォーマンス発揮のために、こちらに求められる期待度も自然と高まります。 そうした期待にしっかりと応えたことで、自分の仕事ぶりへの評価も上げていくことができたのではないかと思っております。
休みなく仕事に没頭した日々
中村さんは、幅広い分野でご活躍されてきたようですが、理学療法士のお仕事のどのような点に遣り甲斐を感じていましたか?
そうですね。当然、仕事自体も好きでしたし、患者さんが回復していくところや関わった人たちの喜ぶ姿を見るのは、何より嬉しかったですね。
当然のことながら、経験を積んでいくほどに自分に求められる仕事量も増えていきました。20~40歳代は、休むことなくひたすら働いていましたね。
求められることが多くなってきたことにより、身を削ってでも働かざるを得えなかったのでしょうか?
はい。そんな休みなく働き続けていたある晩、身体の異変を感じて救急病院に行きました。
そこでの診断の結果、思いもせぬ大病を患っていました。 看護師いわく「あと数時間治療が遅れていたら、生命も危なかった」と言われましたが、なんとか一命は取り留めました。
そこまで危険なご状態に追い込まれていたのですね。それを機として、さすがに仕事のやり方を変えようと思われたのですか?
やり方を変えるというよりは、「もっと自分の好きなように仕事をしていこう」という気持ちを強くもつようになりました。
それまでは、周囲の人たちの期待に応えるということを優先してきました。 これからは、自分の経験だけでなく個性も最大限活かしていこうと考えるようになり、現在の起業に至りました。
中村さんの現在の仕事は?
中村さんの現在のお仕事について教えて頂けますか?
7年前から東京に出て来て、現在は、「東京保健医療専門職大学リハビリテーション学部理学療法学科」の講師として働いております。授業としては、運動器理学療法の実技を担当しています。
当校の特色として、「起業する人材を育成する」という教育方針がありますが、私は理学療法において現在の医療・介護における講義も受け持っております。 私自身も起業しており、学生たちにとっての「起業家の手本」になっていきたいという思いを持ちながら、授業を行っています。
オフの日の過ごし方
お休みの日は、どのように過ごしてらっしゃるのですか?
行ったことのない街へ出掛けることが多いですね!
敢えて見知らぬ土地に足を踏み入れることで、新しい世界に触れながら散策するのが好きなのです。 何か目的を持ってというよりは、自由気ままに歩き、そこから見える景色を楽しんでいると、また新しい発想が生まれてきたりします。 仕事ばかりでなく、そういう時間も大切にしています。
「ZZOOLAB」とは?
中村さんが、代表を務められている「合同会社ZZOOLAB」について教えてください。
「不自由のない世界をつくるためのすべてのこと」を社訓として掲げています。
〇医療器具・福祉用具等の企画・開発・製造・レンタル及び輸出入 〇システム・ソフトウェアの企画・開発・設計・製造・販売 〇商品の各種試験検査の受託及び研究 〇人材育成及び職業能力開発のための教育事業 〇労働者派遣業及び有料職業紹介業 〇企業の商品・サービスに関する販売促進及び販売代理店業務 〇各種コンサルティング業務等 を行っております。 時代の流れや社会的背景に応じて、何が必要かを考えたうえで新たなサービスを創り出し、その事業が継続し建設的に行えるようにしていきます。 そして、皆さんが幸せに笑って暮らせる世界を創造することが、合同会社ZZOOLABの業務であり、使命でもあります。
起業された理由を聞かせていただけますか?
目まぐるしく変化する世の中に対応していくためには、既存の職域を超え、新しい在り方を追求していく必要があると考えたからです。
中村さんの今後の取り組み
ご自身の仕事を果たすことで、社会にどのような影響を与えていきたいですか?
私が、理学療法士として働いてきた中で、多くの可能性を感じてきました。
その可能性というのは、医療・福祉の分野だけでなく、IT・建築・アパレル・飲食・自動車などです。 あらゆる分野の産業に、理学療法士の視点や知見を取り入れていければ、より多くの人たちの生活を豊かにできます。 それだけに、理学療法士は、果たすべき大いなる役割がたくさんあるのです。 今後、その役割を担う人たちが、仕事を果たすことのできるプラットフォームを創り出すことが、私のやるべきことですね。
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