在宅医療の現場で働くことの意義とやりがい
後藤田 進(ゴトウダ ススム) 資格:理学療法士
- 「ア、ヤットサー、ア、ヤットヤットー」さて、これはなんの掛け声でしょう?
- 青春を謳歌しつつも進路に悩む日々・・・
- ロスジェネ世代としての苦悩
- 懸命に仕事に励む中で見つけた新たな道
- 在宅医療の現場で働くことの意義
- 今後のリハビリ業界は斜陽か?!
「ア、ヤットサー、ア、ヤットヤットー」さて、これはなんの掛け声でしょう?
後藤田さんは本インタビューでは、どのようなことをお話ししたいですか?
自分を客観視して、仕事の質の向上に繋げられたらと思います。
リハビリ職は、患者さんや利用者さんのお話を聞き、アセスメントや分析をすることはありますが、自分自身のことを聞かれる機会は少ないように思います。今回のインタビューでは自分を客観視し見つめ直すことで、自身の欲求を分析し、自らの生活および仕事の質の向上に繋げられたらと思います。
後藤さんは良く耳にする姓ですが、後藤…田さん?珍しいお名前ですね?
関東では、聞き慣れない苗字かもしれませんね。出身は、徳島県なんです。
では早速、後藤田さんの幼少期について聞かせていただけますか?
育ったのが、徳島の田舎町(吉野川市)なので山や川、谷で遊び回っていました。
小・中学生時代は、とにかくスポーツに打ち込んでいて、この頃の夢も「スポーツ選手になりたい」なんて漠然としたことを語っていましたね。
青春を謳歌しつつも進路に悩む日々・・・
高校卒業後の進路を教えて頂けますか?
大学受験に失敗し、浪人できない状況だったので大阪にある法律専門学校に進学しました。
専門学校での生活はどうでしたか?
友人と飲み会やコンパばかりやってましたね(笑)
その中でスキーコンパがあり、このときに妻と出会いました。彼女は、当時から東京で生活していたので、大阪-東京の遠距離恋愛でした。偶数月は自分が会いに行き、奇数月は彼女が来てくれ、行き来をしていました。
ロスジェネ世代としての苦悩
楽しそうな学生生活だったのですね。その後の進路はどのように進まれていくのですか?
大手流通会社に就職し、店舗管理と営業の仕事に就きました。
私たちの世代は「ロストジェネレーション世代」と呼ばれ、就職氷河期だったんです。なので、就職できずに彷徨ってしまった人たちが多く、自分自身もその中の1人でした。それでも運良く、内定を頂くことができました。
お仕事は、充実していましたか?
結果がすべての世界だったので、悩ましい日々を過ごしていました。
売上のノルマがあり、自分の担当店舗の利益を上げることに躍起になっていましたね。売上は、すべて数値で算出され、その数字がすべての世界だったので、いかにノルマをクリアするか苦悩しましたね。 ただ、そこで習得した営業トークや管理スキルは、現在の仕事にも活かせているかと思います。
懸命に仕事に励む中で見つけた新たな道
その後、どのような経緯で理学療法士になるのですか?
母が看護師で、友人に医療従事者が多かったことも影響しているかと思います。
前職で自分ができることはやりきったと感じ、そこで一念発起して医療の道に進むことにしました。 まず、作業療法士の友人の卒業校へ学校見学に行き、自分が医療職の中でもどの職種に向いているかを考えてみました。そこで直接的に患者(利用者)さんと関わりながら貢献することに魅力を感じ、理学療法士を志しました。そして、「徳島県立医療福祉専門学校」に進学しました。
専門学校卒業後は、どちらに就職されたのですか?
回復期病院に就職しました。
慌ただしい職場ではありましたが、遣り甲斐を感じながら働くことができたので、転職して良かったなと思えました。
社会人になってからもコンパはしていたのですか?
いえ、してないです(笑)
理学療法士になって間もなく、スキーコンパで出会った彼女と約10年間の交際を経て、結婚しました。その当時、自宅があった足立区~東戸塚まで通勤していたのですが、通勤がストレスになっていました。 通勤時間は読書や考え事をする時間として有効活用していましたが、限りある時間を通勤で削がれることに限界を感じ始めていたタイミングで息子が生まれました。より家族の時間を大切にしたいと思うようになり、家の近くにある高田馬場の整形外科クリニックに転職しました。 7年間勤務し、また新たなことに挑戦したい気持ちが芽生え、現在の勤務先である「グレース訪問看護ステーション」に入職しました。
在宅医療の現場で働くことの意義
訪問看護ステーションでのお仕事では、どのような所に遣り甲斐を感じていますか?
自分のアプローチによって効果があったときや利用者さんの生活上の安全確保ができたときに遣り甲斐を感じますね。
サービスを提供する対象者は、高齢者の方々がほとんどなんですね。私の親も高齢になってきたので、患者さんと自分の家族の姿を重ねながらサービスを提供しています。利用者さんとの何気ないやり取りも楽しみながら介入させていただいています。
今後も高齢者人口の増加するなかで、後藤田さんはどのようなお考えを持って働かれていますか?
現場におりますので、そうした事態に置かれていることを常々感じています。
医療や福祉の職種というのは、それぞれの保有資格による専門性もありますが、その分、職種による領域の線引きもあります。職域の限界を感じることも多く、動きにくさを感じる実状もありますね。 具体的には、どのような悩ましさがありますか? 人員配置や他業種との連携に悩まされることがありますね。また、利用者さん一人に対して、医師や看護師、ケアマネージャー、セラピストの考えが交錯するので、意見がまとまりづらいです。リハビリの診療報酬が減算されたり、書類関係などでややこしさを感じることもあります。
今後のリハビリ業界は斜陽か?!
今後、リハビリ対象者の増加が見込まれ、それに伴ってセラピストへの比重も高まるかと思います。診療報酬改定やサービス内容の狭小化などが生じ、仕事の在り方にも変化があるかと思われます。
後藤田さんは、今後のリハビリ業界の動向や理学療法士の働き方についてどのようにお考えですか?
時代や状況の変化に合わせ、様々な状況にに対応できるセラピストになりたいと考えています。
個々の持ち味を出す機会がより色濃くなり、質の高いきめ細やかなサービスをしていく必要があると考えています。
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