モンゴル・離島での多様な経験と果たすべき役割
海外や離島へ飛び立つ土台となったのは!?
小泉さんは、海外での活動経験もあり、現在は離島に居住しながら働かれているのですね。
はい。現在は、伊豆諸島の1つである、東京都神津島村の村役場保健センターに勤務しております。
離島へ渡るまでの経緯が気になりますが、まずは幼少期からのお話しを教えてください。
幼い頃の夢はありましたか?
野球選手になることでした!
運動が好きで、小学4年生から高校3年生まで野球をやっていました。外野を主に守りました。 夢は野球選手とは言っていましたが、中学生になり、現実性がないことを思い知らされました。高校でも野球を続けたのですが、自分がよく怪我をしていたこともあり、人のサポートをする仕事に魅力を感じていました。看護師をしていた母の後押しもあり、理学療法士を志すようになりました。
それで、高校卒業後に理学療法士の養成校へ進学されるのですね?
はい。多摩リハビリテーション学院専門学校に進学しました。
成績優秀だった学生時代でも苦難はあり!?
専門学校時代の勉強は、いかがでしたか?
成績は良かったのですが、実習に苦労しました
実習では、指導者とのコミュニケーション含め、机上の勉強では解決できない課題に直面し挫折を経験しました。急性期病院の実習のときには、「キミは、急性期には就職しない方がいいね!」とまで言われ、とても悔しかったのを覚えています。 その悔しさをばねに、急性期病院の埼玉医科大学病院国際医療センターに就職を決めました。
そちらにはどれくらいお勤めになったのですか?
3年間です。
青年海外協力隊に行くという目標がありましたので、一定の臨床経験をクリアし、海外へ飛び立ちました
青年海外協力隊を志願したのは、なぜですか?
父の働く姿に憧れたからです。
父が海外駐在の期間が長く、その姿を見ていた自分も海外で働きたいという願望をもっていました。また母が、恵まれない子どもや途上国への支援金を寄付していたことを見ていたのも影響しているかと思います。
どちらの国でご活動されたのですか?
モンゴルです!
モンゴル・ウランバートル市の国立中央第三病院にて約2年間(2012年6月~2014年6月)活動しました。主な活動内容としては、現地の理学療法士への指導でした。モンゴルでは、リハビリの基礎概念自体が発展途上状態でした。 例えば、脳卒中患者をずっと臥床させ、麻痺側すら動かさないまま拘縮させてしまうことや、骨折後の患者には、過度なギプス固定で可動制限を起こしてしまうという事態が多々ありました。
青年海外協力隊として、いざモンゴルへ!!
モンゴルにおける、リハビリの基礎づくりに貢献されたのですね。
そうですね。早期理学療法導入から実践・医師医療従事者間の連携強化に取り組みました。
その上で、日本の医療現場で用いられている手技やアプローチ方法も指導しました。私の活動終了以降も隊員が派遣されており、徐々にリハビリの基盤ができつつあります。
青年海外協力隊での活動終了後、帰国されてからは何をされたのですか?
都内の訪問看護ステーションで1年半働きました。
在宅リハビリに関わった経験がなかったので、都内の訪問看護ステーションで1年半働きました。その後、青年海外協力隊時代から温めていた思いでもある、過疎地でのリハビリへと動き始めました。 離島での求人情報を探していると、たまたま妻の祖母が暮らしている神津島での求人募集があったんです。そこに御縁を感じ、神津島へと渡りました。
多様な経験から養った使命感を抱え、離島へ渡る
離島での働き方について教えていただけますか?
主に健康診断や介護予防事業、生活習慣病予防事業などを行っています。
村役場の保健センターで勤務をしています。また、保健事業の一貫として、訪問や外来での機能訓練も提供しています。
リハビリを提供する上で、都市部と離島の違いは何でしょうか?
医療・福祉のサービス供給体制に制限があるところです。
そのような状況下で、神津島での在宅死率は、日本でも上位です(厚労省の調べによると、2014年に在宅死した割合の全国一位が神津島村の54.8%であった)。 無論、24時間往診対応可能な在宅療養支援診療所や訪問看護などの医療資源がある訳ではなく、限定された資源の中で島の人たちの健康と安全を守っていかなくてはなりません。 現実性があるか否かは別として、訪問看護があったら良いですね。神津島には、医師が2人しかいません。訪問看護があれば医師の負担軽減・きめ細やかなケアが対応可能となると感じています。
小泉さんは、神津島にどのようなサービスがあったら良いと考えていますか?
訪問看護があったら良いですね。
現実性があるか否かは別として、訪問看護があったら良いですね。神津島には、医師が2人しかいません。訪問看護があれば医師の負担軽減・きめ細やかなケアが対応可能となると感じています。
小泉さんが描く今後のビジョン
今後は、どのようなことに取り組みたいですか?
神津島で良い事例をつくりたいです。
「医療資源の少ない状況下で、高齢者が安全かつ持続可能な生活をする」ことを追求していきます!
最後に、これから理学療法士を志す方々にメッセージをいただけますか?
一歩踏み出すことでですね!
私個人の考えになりますが、視野を広げ、学校の勉強だけでなくアルバイトや旅行など多様な経験をした方が良いでしょう。一歩踏み出すことで世界観も広がりますし、そこから新たな視点も生まれてくるかと思います。 それと、神津島にも是非いらしてください!! 神津島は、「星空保護地区」として認定されており、満点の星空を望むことができます。 海水浴ができる美しい砂浜もたくさんあり、日常を離れて、美しい海と煌めく星空を見ることで、新たな視点が生まれてくるかもしれません。
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