理学療法士の多様化する働き方を実現するキャリアマガジン「コメット」

2022.04.05 フィットネス

果敢に挑戦した若かりし日々が「今」をつくる

#トレーナー#フリーランス#メディカルフィットネス#経営

熊田純一郎



実習・新社会人時代には、苦難多き日々を過ごす。そのような中で、一度は理学療法士の仕事から離れ
るも、赤坂に自身のジムをオープン!?独自のトレーニング法やコンディショニング論を展開。
base BODY CONDITIONING代表

資格:理学療法士​・二級建築士
   

熊田純一郎さん 1日のスケジュール

果敢に挑戦した若かりし日々が「今」をつくる

base BODY CONDITIONINGの最寄り駅である赤坂駅から熊田さんのジムの道中には、テレビ局のビルや高級そうなレジデンスが立ち並んでいて、都心を象徴するような街の中にジムがあるといったカンジですね。

ご自身でジムを開くまではどのように活動されていたのですか?

新卒で働いていた病院を辞めるまで、地元・茨城にいました。

熊田さんは幼少期をどのように過ごされていましたか?

柔道場をやっていた祖父の影響もあり、5~20歳まで柔道をやっていました。

アウトサイダー(アウトローたちがしのぎを削る格闘技イベント)という格闘技の試合にも出場した経験があります。
両親とも看護師で、幼い頃から医療職の充実ぶりや大変さを聞いていました。

体格がしっかりしていると思っていたのですが、柔道がベースにあったのですね。しかも、いかにも危険そうな格闘技イベント・アウトサイダーに出場経験があるなんて!!?

アウトサイダーに出場しようと思ったのはなぜですか?

周囲の人たちの薦めと、あとはノリと勢いです!

イカツイ猛者たちが集う興行の中で闘うことで、心身ともに成長できたのではないかと思っています。
それはすごいご経験だったでしょうね!!

理学療法士を志したのはご両親の影響でしょうか?

はい。親の薦めもありましたが、自分自身も運動するのが好きだったんです。

それで、ヒトの身体や運動について学術的に学んでいきたいと思ったのが、理学療法士を志した理由です。
そうだったのですね。

養成校時代は勉強に実習に大忙し!

理学療法士の養成校も茨城県だったのですか?

そうです。水戸メディカルカレッジに通っていました。

養成校時代はどうでしたか?
ただただ勉強で忙しかったですね。実習は、社会性が乏しい上にコミュニケーションをとるのが苦手で、バイザーから叱責されつつ、なんとか切り抜けました。

「やる気あるのか?!」「俺(ケースバイザー)だったら、とっくに実習きってるぞ(終わりにしている)!!」など言われながらも実習を終えました。

社会人デビュー後も多難な日々!?

学校卒業後はどのような進路に進まれたのですか?

水戸にある「医療法人桜丘会ブレインハートセンター」という脳と心臓の専門病院に就職し、3年間勤務しました。

理学療法士としてだけでなく、社会人としての基盤も学びました。礼儀や挨拶、人間関係における立ち回りなど、いろいろなことを習得できたのではないかと思います。

病院退職後はどのような方向に進まれたのですか?

かなり方向性が変わるのですが、建築設計士になりました。

ずいぶん変わりますね。理学療法士としてアイデンティティをもって建築業界に飛び込まれたのですか?

いえ、また別ですね。元々建築にも興味があり、2級建築士を取得し設計事務所に就職しました。

でも、仕事は雑務ばかりでした・・・。一人前になるまで10年以上かかる現実を知り、2年で辞めてしまいました。「早く一人前になって仕事をしたい」という思いでしたが、愕然としましたね。現実の厳しさに直面し、先が見えなくなかったです。

転職、迷走する日々、フリーター生活・・・貯金も底を突く

その後は、どのように過ごされたのですか?

完全に行く先を見失い、迷走していました。宅配の仕事や、理学療法士のアルバイトで食いつないでいました。

貯金が5千円しかない時期もありました。

難航した時期があったのですね。その状況からどのように抜け出していったのですか?

理学療法士の資格を活かし、パーソナルトレーニングのトレーナーをしていました。ジムには、さまざまな資格を有するトレーナーが在籍していました。
理学療法士ではないトレーナーたちの指導は、「とにかく筋力を鍛えましょう」「体力をつけましょう」など具体性がなく、解剖学・生理学的根拠に基づいたアプローチや運動学的に正しい方法を教えていませんでした。

筋トレ一つにしても、正しいフォームで行わなくては、関節や靭帯を痛めてしまいますよね?がむしゃらな方法では、バルクアップもダイエットも成功しません。身体の専門家である理学療法士が的確かつ効果的な指導をすべきと感じたんです。

根拠なくがむしゃらな運動指導をするなんて、筋トレジムじゃなくて関節破壊工場じゃないですか!?

そんなところですね(笑)痛みに対してのケアもできていなかったので、「これでは、ケガが慢性化し、良くなるどころかどんどん悪くなってしまう。」という危機感まで感じました。

こんな奴らに任せておけないから自分でやってやるという流れで、このジムができたのですね?

そこまで乱暴な感じではないですけど、専門家の立場からみた正しい手法を提供すべきだと強く思いました。

心機一転!都心一等地で自らジムを開くことに!!

なぜ赤坂で開業されたのですか?

元々知り合いの患者さんがいたのが大きな理由です。

当ジムは保険適応でないので、それなりに高い価格設定です。富裕層の多い地区の方が集客に繋がると考えたのも理由の一つですね。

base BODY CONDITIONINGには、どのようなお客様が来ますか?

 

他のジムやトレーニング施設に通っていたけど、ダイエットやトレーニングの効果が得られず、より高い効果を求めてこられる方が多いですね。

運動中にケガをされてしまい、「治療と運動を併行して行いたい」というご希望もあります。理学療法士の専門性に、期待を寄せて来られる方が多いですね。

熊田さんの目指す理学療法士像は?

熊田さんは、お客様への思いが強いですよね!今後の野望を教えてください!

野望ですか・・・お金とか名誉みたいなのには、あまり興味ないですね。

お世話になっているお客様がとても親切で、日々学ばせていただいています。企業の社長や役員などもいらして、立場や関係性を気にせずビジネスのアドバイスまでしてくださる方々もいます。

人のために、惜しみなく尽くすことのできる人間性は素敵ですよね。知識や技術だけでなく、人格的にも優れた人間になりたいと思いながら、日々精進しております。
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