理学療法士の多様化する働き方を実現するキャリアマガジン「コメット」

2022.02.20 起業

広めたい!〈メディカルフィットネス〉という分野

#セラピスト#トレーナー#企業#保険外リハビリ#経営

早川 庫輔 (メディカルフィットネス)


メディカルフィットネス・ⅤiPro代表。
整形外科から内部疾患まで幅広い臨床現場での経験を活かし、
コンディショニング&予防に特化した新しい分野であるメディカルフィットネスを開拓。
代々木上原に「ⅤiPro」を立ち上げ、専門的かつ個別性富んだサポートを提供。
資格:
日本理学療法士協会理学療法士​・日本AKA医学会理学・作業療法士会
Spine Dynamics療法認定上級セラピスト・更年期と加齢のヘルスケア学会 メノポーズカウンセラー
日本サプリメント学会 サプリメントアドバイザー・日本ホリスティック医学協会 生活習慣病予防士

趣味:キャンプ・バトミントン・読書・お酒を少々

尊敬する人物:スティーブ・ジョブス

幼き日にみた父の働く姿が起業家マインドを育んだ!

理学療法士というと、「開業できない」という固定観念が先行されがちですが、早川さんは元々起業願望があったのですか?

はい。父が靴の製造・販売業を営んでいて、、

父が靴の製造・販売業を営んでいて、その姿をみていた幼いときから起業することを意識していました。家の1階が工場で2階が住居だったので、父の仕事ぶりを身近にみることができ、夜遅くまで靴作りをしていたのを憶えています。

靴屋さんとリハビリ分野では、かなり畑ちがいの気がしますが、なぜ理学療法士になられたのですか?

体育大学の受験に失敗したのをキッカケに進路を見つめ直し、色々と調べているうちに理学療法士という職業を見つけました。

学生時代、野球をやっていてケガが多かったんですね。そのとき、柔道整復師やトレーナーの方々と接する機会が多かったので、体に関わる仕事に興味を持ちました。当初は、救急救命士とトレーナーの資格を取りたくて体育大学を受験したのですが、失敗しました。
それをきっかけに進路を見つめ直し、色々と調べているうちに理学療法士という職業を見つけました。当時はまだ世間への認知度が低かったのですが、医療機関でも働けるということから理学療法士を志すようになりました。

学生時代は新しいことばかりの日々で刺激的!?肝心の勉強は…?

理学療法士の学生時代はどのようにお過ごしになったのですか?

部活やバイトに明け暮れました。

栃木県大田原市にある国際医療福祉大学に進学し、初めての1人暮らしをすることになりました。部活やバイトに明け暮れました。親元を離れたことで自由に過ごすことができましたが、自分ですべてこなさなくてはならないので親の存在のありがたさを改めて感じました。
 

学生時代はかなり充実していたようですね?

もっとマジメに勉強しておけば良かったと感じるくらい学生生活を謳歌しましたね。

そうですね。たくさんの友人にも恵まれ、ボーリング・フットサルなどのスポーツにも夢中になりました。また、学校から一番近くにアパートを借りていたので、ワンルームの部屋に10人以上の友人が押しかけ、ウイニングイレブン(サッカーのテレビゲーム)や飲み会などをして、大いに楽しみました。
部活は先輩の薦めでラグビーに挑戦し、もっとマジメに勉強しておけば良かったと感じるくらい学生生活を謳歌しましたね。

大学卒業後はさまざまな仕事をしながら起業への足掛かりを捜し続ける

大学卒業後はどのような進路に進まれたのですか?

整形外科クリニックに8年間勤め、その次は自費のAKA クリニックに転職しました。

最初に就職した整形外科クリニックには8年間勤め、その次は自費のAKA (Arthrokinematic Approach:関節運動学的アプローチ)クリニックに転職しました。そのクリニックでフリーランスで活動する鍼灸師と柔道整復師の先輩方と出会ったのをきっかけに自分自身もフリーに転身し、整形外科クリニック、スポーツジム、介護予防施設、自費の訪問治療などとたくさんの仕事をしました。

「世の中で求められているのはなにか、それに対して自分になにができるか…。」

幅広くお仕事をされた理由はなぜですか?

世の中が理学療法士に求めていること、自分がすべきこと、を確かめるためです。

一口に理学療法士といっても、提供するリハビリテーションの内容はさまざまです。関わる患者さんやクライアントさんの幅を拡大することで、「世の中が理学療法士に求めているのはなにか、それに対して自分はなにをすべきか。」ということを自分自身で確かめるためです。

その答えは導き出せましたか?

答えというと大袈裟ですけど、、もっともリハビリ需要の多い層だと感じたのは、「病院に行くほどではないけど、元気でもない」という人たちでした。

答えというと大袈裟ですけど、僕自身がもっともリハビリ需要の多い層だと感じたのは、「病院に行くほどではないけど、元気でもない」「病院の診察では異常と診断されないけど、なにかしらの不調を抱えている」という人たちでした。
そのような方々は、医療機関の対象ではないし、一般のスポーツジムはハードルが高いから自分の抱えている問題をどこでどのように解決したら良いか分からずに困っているんです。マッサージは受けているけど根本的な問題の究明をできずに悩んでいる人たちが多かったです。

需要の多い層はここだ!!それに対して理学療法士が提供できる形とは…

そうした方々の悩みを解決することが、理学療法士に求められていると考えられたのですか?

そうですね。医療機関とトレーニングジムなどの中間のカテゴリがあれば良いと考えました。

そうですね。医療従事者が考えたトレーニングを提供する「メディカルフィットネス」というカテゴリがあれば良いと考えました。
「メディカルフィットネス」は、医療機関とトレーニングジムなどの健康増進施設が提供しているサービスの中間にあたると考えております。
 

クライアントさんの求めていることを考え尽くした答えが「ViPro」のサービス

ViProの理念・サービス内容が定まってきたところで、ついに起業へと進まれたのですね?

当初は、レンタルスペースでサービスを提供していました。

はい。当初は、繋がりのあった人たちを対象にして、レンタルスペースでサービスを提供していました。レンタルスペースでは内容に限界があったので、整形外科クリニックで勤務していたときからお世話になっている先輩と共同経営という形で店舗を借りて、ViProを開業しました。

起業するにあたりどのようなことが大変でしたか?

子どもがまだ小さかったのに3~4カ月も休みがない日が続いたときは、妻にかなりの負担をかけてしまいました

起業自体はわりとスムーズにできて、オープン当初から元々ご縁のあったクライアントさんに
来て頂けたので、そのまま経営が安定していくと思っていました。でも、その後は集客が思うように伸びませんでした。それでも何とかしようともがいていた時期はとても辛く、子どもがまだ小さかったのに3~4カ月も休みがない日が続いたときは、妻にかなりの負担をかけてしまいましたね。
夜遅くに帰宅してから妻と喧嘩し、睡眠不足のまま翌朝仕事に出かけるなんてこともありました。

夜遅くまで…本当に仕事が忙しかっただけですか?(笑)

も、もちろんです!!

どれだけ仕事が多忙でも、収入も上がれば救いようがあったのですけど、中々収入に結びつかず悩ましかったです。家族やプライベートの時間を犠牲にしているのに結果が出ない・・・そんな日々が続いた時期はかなりしんどかったですね。

現在、新型コロナウイルスによる影響もあるかと思われますが、どのようなご状況ですか?

当初はお客様のキャンセルが相次いだので先行きへの不安はありました。

でも、徐々にお客様も戻ってきて、少しずつ新規の方も増えてきました。どのような状況でも本当に必要とされるサービスであればお客様は来てくれると思います。まだまだ苦しい状況は続くと思いますが、変化に対応できるよう精進していきます。

ViProが描く今後のビジョン

今後の展望について教えていただけますか?

「メディカルフィットネス」という分野を世の中に広めていきたいですね。

老若男女問わず、自分の体の健康を自身で管理することが大切です。悪くなってから病院に行くのではなく、日常のケア・コンディショニングとしてメディカルフィットネスを利用してもらいたいですね。

起業したことで、幼少期描いた目標は叶えた!?

幼い頃から起業することを目標としてきたとのでしたが、一先ずその目標は達成したということでしょうか?

う~ん・・・・

う~ん・・・もしかしたら僕の目標は起業することではなく、父から認められたかったから起業家を志したのかもしれません。
 僕は、3人兄弟の一番下なのですが、末っ子だと何をするのも遅れをとっていたので、邪魔者扱いされることもありました。年齢が下なら、同じようにできないのも当然なのですが、子どもの頃はそれが悔しかったんですね。大人になってからもその名残があるのかは、自分でも分かりませんが、「起業して稼ぎ、立派になれば認めてもらえる」と考えていたような気もします。なので、お金を稼ぐというのが、父に認められるバロメーターのように思っていたのかもしれません。
 「お金を稼ぎたい」というと、医療の世界では良いイメージではありませんが、確かな施術をすることで結果を出し、その対価として真っ当にお金を稼げたらと思っています。お金が大切という価値観もありますが、自分を頼って仕事の依頼がきて、クライアントさんの悩みを解決できたときが一番やりがいを感じます。

人生を楽しむ上で大切にしたいことは?

仕事が多忙過ぎて家族を犠牲にしてきたとお話しされていましたが、プライベートでやりたいことはありますか?

奥さんとは、半分冗談・半分本気で沖縄移住計画の話なんかもしています。

仕事も好きだけど、のんびりもしたいですね。奥さんとは、半分冗談・半分本気で沖縄移住計画の話なんかもしています。
「楽しむことと人のために仕事をすること」ちょうど良いバランスで人生を送れたらと思っています。

番外編

取材当日は、コロナ禍ということもあり、夜の公園でソーシャルディスタンスを保ちながらインタビューを行いました。インタビューは、早川さんの過去~現在に至るまでのお話を思い返しつつ、笑いを交えながら語ってくれました。
そんな取材が終盤にさしかかった頃、3人組の若者が酒を買い込んだのであろうビニール袋をぶら下げて、すでに酩酊した状態で公園にやってきました。そして、酒の缶を片手に大きな奇声を上げながら、どんちゃん騒ぎを始めました。
私は、「品のないウルサイ奴らだ。感染も心配だな・・・。」などと思っていました。
その連中は、さんざん大騒ぎした挙句に帰り支度を始めましたが、自分たちが散らかしたお菓子の袋や酒の空き缶などを片付ける様子はありません。
「まさかゴミを放置したまま帰る訳じゃないだろうな。」と思いながら見ていたら、予想通り連中はゴミを散乱させたまま公園出口の方へ向かって行くではないですか!!



さて、皆さんだったら、このときにどうしますか??
①見て見ぬフリ
②犯人にドロップキックをかます!!
③スマフォのカメラで撮影し、SNSで拡散
私は、①か②で悩んでいました。
 すると、早川氏はすっと立ち上がり、ドロップキックの助走をつけるのかと思いきや「仕方ないな。」と言いながらゴミ拾いを始めました。
「なに!?俺の選択肢にないことをしている!!中身までイイ男じゃないか!?」
と、衝撃を受けた私は、自身の考えを改め、早川さんに習うようにゴミを拾うことにしました。
当たり前のことをしているかのように黙々とゴミ拾いをする早川氏と「なんで人のゴミなんか拾わなくちゃいけないんだ。」とブツブツ言いながらゴミを摘まむ私・・・対照的な2人で夜の公園をキレイにして、取材を終えました。
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