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2022.02.14 スポーツ

車いすラグビーの魅力を多くの人に知ってもらいたい!

#オリンピック#パラリンピック

渡辺 紗代子(車いすラグビー国内・国際レフェリー)

車いすラグビー国内・国際レフェリー。車いすラグビーチーム「FREEDOM」所属。
「車いすラグビーの魅力を多くの人に知ってもらいたい。
車いす競技としてではなくスポーツとして、障害者でなくアスリートとしてみてほしい。」
(2021/5時点)
渡辺紗代子さん 1日のスケジュール
渡辺 紗代子(ワタナ ベサヨコ)


資格:理学療法士、車いすラグビー国内・国際レフェリー

出身地:沖縄県

南国育ちのオテンバだった女の子が描いた夢は?

渡辺さんという苗字は、全国苗字ランキングで第6位にランクインするほど多いのですが、ご出身はどちらですか?

出身は沖縄県です。

沖縄なんですね!沖縄の人はいつでも海に入れると勝手にイメージしているのですが、幼少期はどのようにお過ごしでしたか?

木登りとか泥んこ遊びをしたり、海や川にも入って遊んでました。

ワイルドな女の子だったんですね!幼少期の夢はなんでしたか?

両親とも看護師だったので、幼い頃から医療職に就きたいと思っていました。

そこからどのような流れで理学療法士を志すようになったんですか?

両親に「紗代子は、動くの好きだからだから理学療法士ね!!」と言われて

あるとき、姉が進学や資格取得のために作業療法士について調べていたんですね、その隣に理学療法士も載っていたのをきっかけにリハビリという仕事に関心を持ちました。医療職だった両親は理学療法士と作業療法士のちがいを理解していたので、「紗代子は、動くの好きだからだから理学療法士ね!!」と言われ、理学療法士を志すようになりました。


専門学校時代は苦楽を共にした仲間たちと青春を謳歌

高校卒業後にリハビリの養成校に進学されたのですか?

沖縄リハビリテーション福祉学院に入学しました。

沖縄県にある医療法人おもと会 沖縄リハビリテーション福祉学院に入学しました。
専門学校では勉強も大変でしたし、実習のレポートが大変過ぎて泣きそうになりながら実習先に行ったこともあります。でも、大変なことも多かった分、仲間たちと励まし合いながら過ごした学生生活はかけがえのない時間でした。学生時代の担任の先生のおかげで、車いす競技とも出会えましたし!!
 

専門学校の恩師のススメで車いす競技と出会う

学校の先生から誘われのですか?

誘われたというより拉致されました(笑)。

その先生は「クラシファイヤー」という障害のクラス分け認定をする仕事をしていました。「車いすツインバスケットの練習を見に行っといで!」と言われるがままに車いす競技の世界に足を踏み入れました。
 
クラシファイヤーとは??
スポーツ競技は、一定の公平性を保った上で競えるものなので、障害者が公式競技にのぞむ場合は、障害の種類やレベルに応じていくつかのクラスに分けられます。(車いすラグビーは 7 つ)
「クラシファイアー(Classifier)」は医師または理学療法士などの有資格者が、クラシフィケーション(選手の障害の種類によってクラス分けをすること)を行うために必要な知識・技術を習得し、競技をする上で公平に競うためのグループ分けをする専門家をいいます。クラシファイヤーによって、それぞれの選手がどのクラシフィケーション規定にあてはまるか判定されます。これにより、選手のエントリーできる種目(グレード)や各競技のクラスが決定されます。
一概に下肢の障害といっても、両麻痺・片麻痺によって動かせる部位や可動可能な運動範囲は異なります。また、切断レベルによってもハンディキャップのレベルや内容が異なります。障害種別や度合いに違いがあるにも関わらず、同じルールの元で競技を競っても平等性に欠けてしまうので、公平性を保つために、障害のレベルによってクラス分けを行うのです。

車いす競技との強いご縁を感じながら理学療法士として現場へ

強引に連れ去られるような形で踏み入れた車いす競技の世界に今でも携わっている訳ですから、その先生には先見の明があったのですね。専門学校卒業後はどのような働き方をしながら車いす競技に関わっていたのですか?

専門学校卒業後は、医療法人翔南会 翔南病院に入職しました。

専門学校卒業後は、医療法人翔南会 翔南病院に入職しました。回復期・維持期の病院で幅広い患者さんがいらっしゃいました。その病院には、生活習慣病療養指導外来があったので、脳卒中や糖尿病合併症の患者さんを中心にリハビリを行っていました。

リハビリのお仕事と併行して車いす競技にも携われるのはお忙しいかと思われますが、更にレフェリーとしても活動するようになったのはなぜですか?

仕方なくです(笑)

私が初めてレフェリーとしてコートに立ったのは、OkinawaHurricanesにいた頃でした。ゲーム形式の練習で「ドリブルのカウントのみやっていれば良いから。」と言われたのを鵜呑みにしてやり始めましたが、当然それだけで済む訳もありませんでした。
エキサイトした選手から「今のファウルだろっ!!」「レフェリーちゃんと見てたのかよ!!」などと言われるようになったので、文句を言われたくない一心でルールを勉強し始めたんです。
そうして勉強していくうちに「ルールに詳しい人がいた方がチームに有利だ!」と考えるようになり、より深く勉強するようになりました。

自分のすべきことはなにかを自問自答する日々

チームを勝利に導く力添えをするためだったのですね。それでレフェリーとしてやっていこうと腹を括ったのですか?

当初はレフェリーになることを断っていたんです。。

先輩からスカウトされていたのですが、大会中にチームを離れたくなかったので、当初はレフェリーになることを断っていたんです。
そんな中、大阪のHEATというチームに移籍して2年目のときに「帯同レフェリー」という制度ができたのが転機となりました。帯同レフェリーというのは、各チームから1人ずつレフェリーを出すという制度で、HEATからは私が出ることとなり、私の公式試合でのレフェリー人生がスタートしました。

原動力=「チーム愛」

その後、国際ライセンスを取得するまでに至った原動力はなんだったのですか?

やはりチームに貢献したいということですね。

レフェリーの勉強をすることでルールを熟知し、レフェリーとしての能力が上がるほどチームへの貢献に繋がると思っています。

「チーム愛」が原動力なのですね!レフェリーをされていて大変なことはありますか?

レフェリーのジャッジ次第では勝敗までも変わってしまうので、常に正しいジャッジを課せられている責任を重く捉えています。

レフェリーは基本完璧でなくてはならなくて、正しいジャッジをして当然なのです。及第点は100で、あとは減点方式のお仕事だと思っています。また、レフェリーのジャッジ次第では試合の流れに影響したり勝敗までも変わってしまうので、適切かつ公正なジャッジが求められるのは当然です。なので、常に正しいジャッジを課せられている責任を重く捉えています。

レフェリーのお仕事の遣り甲斐はどのような所ですか?

大好きな競技の大好きな選手たちを1番の特等席で見ることができる所です。 選手以外で試合に立てるのはレフェリーだけですから!!

お気に入りの選手がいて、レフェリングが不公平になることとかはないですか?あの選手カッコいいか ら、ファウルっぽかったけど甘めにしちゃおうみたいな!?

それは、ありません(笑)

現在は、レフェリーのお仕事一本なのですか?

いえ、高知県のクラブチーム「FREEDOM」のスタッフと、カフェでも働いてます。

いえ、「FREEDOM」という高知県のクラブチームでスタッフを続けているのと、普段はカフェでも働いてます。試合や合宿等の遠征があるので、長期間の休みでも対応してくれる職場でないとレフェリー業を続けることが難しいのが現実です。
少し前まで訪問リハビリの仕事をしていましたが、毎週決まったスケジュールで動けなくては患者さんに迷惑をかけてしまうので、現在は辞めています。

渡辺さんの描く今後のビジョンは?

渡辺さんの今後の展望を教えてください。

車いすラグビーの発展に寄与していきたいです。

私にできることや任せられている仕事をまっとうしていきます。もちろん、パラリンピックでレフェリーをすることは目標ではありますが、私自身が国際レフェリーをやり続けることに強いこだわりはありません。
多くの方にこの競技を知ってもらい、レフェリーをとりまく環境を変えれたらなと思っています。レフェリーたちがもっと国際ライセンスや世界を目指しやすい環境を作れたらなと。先輩から頂いたバトンを後輩により良い状態にして渡し、車いすラグビーの発展に寄与していきたいです。

渡辺さんが車いす競技の発展を願うのはなぜですか?

車いす競技でなくスポーツとして、障害者の選手ではなくアスリートとしてみてほしいという思いがあるからです。

私が車いす競技と関わり始めた頃とは違い新聞紙で報じられるときも社会欄でなくスポーツ欄で掲載されるようになったりと、徐々に障害者競技がスポーツとして認知されている兆しがあります。
コロナの影響によりオリンピック・パラリンピックが開催できるか不安な状況下(2021/5時点)ではありますが、車いすラグビーの魅力を多くの方々に知ってもらいたいです。

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